Neuroscience

中枢神経系疾患の治療は正常細胞(ニューロン)の機能維持を目的とするが,脳血管障害のように機能障害の原因が細胞の死滅に基づくことは多い.一方,脳腫瘍の治療においては薬物療法や放射線療法といった腫瘍細胞の死滅を目標とするものが大きな位置を占める.いずれの場合にも,細胞死の機序を理解することは各種病態や治療法の理解のうえで重要である.現在のところ最も研究の進んでいる細胞死の型はアポトーシスである.そのなかで重要な位置を占めるミトコンドリアにおける反応および抗アポトーシス因子について概要を紹介する.